いつの間にか季節が変わり、そろそろ初夏の空気に変わりつつあります。

　この冬は保存食をたくさん作りました。その中でも簡単なのが「切り干し大根」です。
切って干すだけ！冬のパキッと乾燥した空気にお任せしておけばきれいに乾きます。

　切り干し大根は戻し汁で煮るととても美味しいので、戻す際には昆布水を使います。
切り干し大根に限らず、乾物を戻す時には必ず昆布水を使用しています。美味しさが2倍、3倍以上変わります。
今回は車麩も一緒に戻して、一緒に煮ます。美味しい煮汁を吸って、煮るともちもちになるのでおすすめです。

　山の春の味覚と言えば「わさびの花」でしょうか。まだ肌寒い春先の、たった2週間程で旬が終わってしまうとても珍しいものです。
　

  
  毎年わさびの花を摘んで、出汁つゆ漬けと甘酢漬けを作ります。その際にも活躍する昆布水。
だしパックや顆粒だしでは、出汁の香りとお味が強すぎてわさびの繊細な香りが分かりづらくなってしまいます。昆布水を使用して、お醤油で味付けしたものがとても美味しいです（日本酒に合うから困る）。

　手前味噌の仕込みもこの季節です。使い切る分だけ作りますが、大豆を戻して煮るのも昆布水を使用しました。おいしくなーれ！の呪文と共に床下に眠っています。早ければ夏の終わり頃から食べ始めます。

　身の丈に合った贅沢な暮らしがしたいと思い、山村暮らしを楽しんでいます。
山暮らしはいつもの散歩道で食べられる草を摘むような、素朴な楽しさがあります。派手さはないけど美味しい昆布に共感してしまうこの頃です。