こんぶネット 一般社団法人 日本昆布協会

~昆布・沖縄の旅~

2023.10.13
by 田中 典子 【岡山県】

2022年 北海道新聞創刊80周年を記念し、昆布の日11月15日に北海道新聞さんより「昆布新聞」が発行され、昆布PR活動にと送っていただきました。

 北海道の昆布をそのまま使った昆布新聞読めて食べられるとの事ですが、本当に届くと感動しました。
立派な昆布に食用インクで直接印刷した新聞は、料理に使ってしまうには忍びなく、南の島沖縄の昆布屋さんにプレゼントをすることにしました。

 訪れたのは、那覇国際通り近くの第一牧志公設市場の中の「山城こんぶ店」です。
おばあ様が終戦後やんばる地方から那覇に出て商売を始め、お母様は高校生の頃からお手伝いをして、「あいたい売り」でお店を大きくされたとの事です。

当日お会いしたのは、息子さんの公設市場の組合長の栗国さんです。

 沖縄の昆布の歴史、市場でお客様との会い対売り、ゆんたくなど、独特の風習、昆布を使った沖縄料理等のお話をお聞きしました。
沖縄では昆布は「クーブ」とよばれ、やわらかい「さおまえ昆布」が食べられてます。出汁としてではなく、具として使われ「ぬちぐすり」として欠かせない食材です。

 沖縄がかつて琉球王国として清国と貿易が盛んでした。那覇港には昆布座という取引所まで設けられました。
昆布は豚肉と相性も良かったため、琉球料理として、宮廷料理に用いられ、その後広く一般に普及されていきました。
 沖縄の水は硬水のため出汁は取れません。代わりに、炒めたり、煮たりして昆布そのものを食べるようになりました。
お祝い事には「結び昆布」法事には中央に切り込みを入れて折り返す「返し昆布」「けーしくーぶ」として食べられてます。

 昔からの風習で、行事食、家族が集まる時には必ず昆布料理は食卓に上ります。郷土料理として豚肉、野菜と一緒に昆布を炒め煮にするのが一般的です。(豆腐が入るとチャンプルーと呼ばれます)

 公設市場のお店では、生切り昆布と、たけのこ(スンシー)の細く裂いたものが合わさってバットに山盛りで店頭で売られています。お客様と話しながら好みの量を量り売りされます。今回こちらを購入しました。

デークニ(切り干し大根を戻したもの)と生切り昆布を合わせた物も有りました。仕事帰りに購入すると、すぐに調理できてとても便利です。余れば冷凍も可能です。

生切り昆布と、たけのこ(スンシー)の細く裂いたものを使った一品をご紹介します!

≪クーブイリチー(細切り昆布の炒め煮≫

【材料】
スンシー(たけのこの先のやわらかい部分)100g
生切りこんぶ 100g
豚肉  100g
かつおだし 1/2カップ
しょう油 大さじ1
泡盛 大さじ1
黒糖 小さじ1
ごま油 少々
【作り方】
①豚肉をごま油で炒め、色が変わったら昆布とたけのこを入れサッと炒める。

②だし汁、調味料で煮含める。 ※泡盛の代わりに日本酒、黑糖の代わりに砂糖に変更可

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