世界自然遺産知床 羅臼昆布漁
兵庫県在住昆布大使 辻井よしみです
ここは北海道知床半島の南側にある羅臼町の海
2005年7月17日に知床は世界自然遺産に登録されました。
知床連山から流れ込む豊富なミネラルと流氷が運ぶ豊富なプランクトンが、旨みたっぷりの「羅臼昆布」を育みます。
2018年に訪れた時『知床羅臼昆布フェスタ』が開催されておりフェスタで、私は陸の上に設置された船の上で昆布漁のポーズだけですが体験しました。
その時感じたのは、あの長い『マッカ』と呼ばれる竿(3m・6m写真上部)を持ち、片手で舵をとりながら、箱めがね
(写真下)を口で加えて、海の中を覗き込み良質の昆布を選んで採取するマッカの先はカギになっていてそれに昆布をうまくひっかけて、その後上部にある『ウタ』でくるくると回しながら巻き上げます。
その体制を海上で波がある時などは体の重心をとるのも大変だなあ・・・と、つくづく漁師さんの技術に頭が下がりました。
その翌日は実際に船に乗りコンブ漁を見学でき、箱めがねで海中も見て、羅臼昆布が海の中で元気に育っていて大自然の豊かな恵みを感じることができました。地元の皆さまや漁協の皆さまのおかげでとても有意義な体験となりました。
昆布漁は7⽉20⽇の解禁より1ヶ⽉くらいおこなわれます。
昆布漁の後の職⼈の⼿仕事による23あるという多くの⼯程により羅⾅昆布が完成します。羅⾅昆布のうまみは、その⼀つ⼀つ
の⼯程が作り出すものだと思いました。
⼯程を簡単に説明すると昆布漁→洗い(同時に茎とり)→天⽇⼲し(乾燥)→湿らす(丁度良い状態に)→昆布巻き(両端のヒレ折れないように)→昆布のばし→(1枚1枚丁寧にのばす)→あんじょう→⽇⼊れ(乾燥)→あんじょう→ひれ刈り→選別→検査
北海道は昆布の産地です。⾃然の恩恵をうけ、そこに暮らし⾃然環境を⾒守り育てて、繋いできた歴史があります。
どちらの産地をおとずれても、そこで採れた昆布を⼦どもを育てるように愛おしく⼤切に丁寧に扱われ、私たちの⾷卓に届きます。
コロナ禍で産地を訪れることができませんでしたが、⽇本昆布協会のLIVEを拝⾒しとても懐かしく、是⾮とも⼜産地を訪れたいと感じました。
昆布は昆布漁だけでなく、その後の⼯程を休むことなく家族総出で協⼒してやることで⽴派な美味しい昆布が出来上がるのです。
⼤切に育てられた昆布を使って美味しい『だし』と『料理』を作りたいと思います。