縁起物でもある昆布で幸せを引き寄せよう!
昔から、おめでたい席に欠かせない昆布は、
いわば日本人の必須ラッキーアイテム。
なぜ、どうして昆布は"縁起がいい"とされてきたのか…。
話せば長~くなるその謎を、ギュッと凝縮してお届けします。
これを読んで、あなたの開運に役立てくださいね!
なぜ昆布は縁起物なの?
縁起のいい食べ物として、結婚式やおめでたい席に欠かすことができない≪昆布≫は、鎌倉・室町時代から今日まで『よろこんぶ』として、縁起物とされています。
まるでゴロ合わせのシャレのようですが、昆布が"縁起物"と言われるようになるには、日本人と昆布の切っても切れない関係があります。
政(まつりごと)にも欠かせなかった昆布
奈良時代の歴史書『続日本紀』によると、「715(霊亀元)年、蝦夷(現在の東北地方)の須賀君古麻比留から"こんぶ"が朝廷に献上された」と書かれています。
実はこれこそが、昆布について書かれたもっとも古い記録。
また、平安時代の詳しい決まり事についてかかれた『延喜式』という書によれば、地方の特産物を収める税金として陸奥の国(青森県)から、昆布が収められていたといいます。
昔の名前は“ヒロメ”です
「ヒロメ」とは幅が広い海藻の意味で、「広布」と表していました。それが音読みされだして「こんぶ」と呼ばれるようになったという説があります。
この「ヒロメ」という言葉が、結婚披露宴を「おひろめ」と呼ぶ語源と言われています。
また、現在でも祝儀の時には、幅の広い昆布(ヒロメ)を縦二つに折ってぐるぐる巻き、紅白の紐で結んだものを床の間に飾るという習慣が残っている地方もあります。
戦国時代は必勝祈願の必須アイテム
昆布は、平安期にはすでに祝膳にのぼったそうです。そんな宮中の古式にならって室町時代になると武将が出陣するときのラッキーアイテムとして登場します。
一に打ちあわび、二に勝ち栗、三に昆布…すなわち「打ち勝ちよろこぶ」という語呂あわせですが、戦乱の世の武将達には単なる言葉遊びでは済まされない、もっと大切なアイテムだったと思われます。
栄養面でもお祝いの場にピッタリ!?
広く一般の人まで、昆布をお祝いごとに使うようなったのは江戸期から。結納の席にも、子生婦(こんぶ)として登場するようになりました。昆布の繁殖力の強さもあって"よい子が授かりますように"と用いられていたようです。しかし、食物繊維やカルシウムがたっぷりの昆布は、妊婦さんにはうってつけの食品という側面もあったのかもと推測されています。
長い長い歴史の中で、ただの語呂合わせだけではない価値が出来上がったのだと推測されます。
“縁起物”として昆布が大活躍するシーン
結納品 子生婦
(こんぶ・こうぶ)
"よろこぶ"との語呂合わせはもちろん、その旺盛な繁殖力が好まれ「立派な子供を産めますように」という願いを込めて「子生婦」という字が当てられている。ちなみに…婿養子の場合は「子生夫」「幸運夫」と書く場合も。
土俵
"勝栗や昆布・米・ スルメ・塩・カヤの実"などの"鎮物(しずめもの)"が、場所中にケガや事故がないようにと、祈願する土俵祭りの際に土俵の中央に埋められます。
鏡餅
正月などに、神仏や床の間に供えるお餅の正月飾り。地域によっては紅白餅だったりと様々な形式がありますが、餅の上の飾りも様々で、昆布をはじめ橙・串柿・干しするめなどがあります。
食品としても、縁起物としても日本を代表する存在と言えそうですね。
お祝いの昆布料理
福茶
正月や節分、大晦日などに縁起物として飲む、昆布・黒豆・山椒・梅干しなどを入れたお茶。お正月には一年間の無病息災を願いながらこの福茶を飲みます。
昆布巻き
おせち料理をはじめ、おめでたい席に欠かせない料理。魚を昆布で巻いて、甘辛く味付けるのが一般的ですが、中に巻く魚など郷土色が色濃くでる料理です。
クーブイリチー
長寿No.1の沖縄で、お祝いの席にはかかせない昔ながらの家庭料理。クーブとは昆布、イリチーとは炒め物のことで、昆布と豚肉を使って調理します。